■政治家は経営者ではない。豊さは自ら勝ち取れ
物価上昇(インフレ)に賃金が追いつかない実質賃金減少が6ヶ月も続く。多くの国民が生活の厳しさを実感しているはずだ。各政党も物価高対策を提言している。消費税廃止や減税。給付金の支給等々。しかし経営の視点から言うと、全て愚策。日本のGDPが600兆円。赤字国債が1200兆円。企業に例えると年商の2倍の借入金があると言うことだ。そこに臨時ボーナスを出す企業などあり得ない。その局面を打開する唯一の方法がある。それは一人ひとりの社員が危機感を強く持ち生産性向上を急ぐことだ。政治家は国民受けする美しい言葉を並べ本質を理解していない。薄っぺらいコンサルタントよりたちが悪い。
■9月以降の経営環境はこうなる
戦争、気候変動、トランプショックで目まぐるしく世界が動いている。先の見えない不透明な時代。9月以降の経営環境はこうなる。
①トランプ関税で大企業の収益は大幅に落ち込む
②資材、人件費上昇は今後も続く。値上げが出来ない企業の業績は著しく悪化する
③最大の経営課題は人の確保と生産性向上
④今後商品開発、新規開拓、新規事業を強化しなければ生き残れない
それを軌道に乗せることが経営幹部の責務。
■こんな経営幹部の存在が収益を好転させる
収益の差は経営幹部のマネジメントの差による所が大きい。収益改善、収益向上のために経営幹部が実践する具体策は次の6点。
1 .人間力が弱いと顧客第一主義は実現できない
これから先、更にAI化が進む。自動運転や空を飛ぶ車ももはや時間の問題。弁護士、税理士、公認会計士と言った士業もAIに一部仕事を奪われるのは間違いない。しかしAIにも弱点はある。それは感情や共感が伝えられないことだ。心を伝えることは人間にしかできない。顧客ファースト、顧客第一主義はAIには不可能。本当の意味での人間力の時代がやってきた。
2 .プレーイングマネージャーを甘やかすな
経営幹部はプレーイングマネージャーにどの様な指導をしているかで業績に大きな格差が生じる。ダメリーダーが必ず言う言葉がある。
「忙しくて部下の面倒を見れません」と。それは完全なる言い訳。部下を育てたいと想う愛情に欠如しており自分ファーストなだけである。3分程度のチョッとミーティング。気になったことをメールや電話で確認する。報連相強化でアドバイスを行い、情報共有する。プレマネのレベルが上がらないと若手社員が育って来ない。
3 .基礎力高い組織が成果を上げる
基礎工事がないと家は建たない。基本が身についていないのにファインプレーは無理。しっかり結果を残す組織はやはり基礎がしっかり身についている。いくら経営幹部が檄を飛ばしても「基礎力」が弱い組織は何をやっても中途半端に終わる。組織における「基礎力」とは①ベクトル合わせ②社会人としての常識③5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)④強いリーダーシップだ。
4 .人間性に問題ある人物はリーダーに登用するな
頭脳明晰、仕事はキレッキレッ。常に目標達成。しかしそれだけがリーダーの資質ではない。能力の前に人間性がどうであるかだ。会社批判を繰り返す。ハラスメントの常習犯。酒癖が悪い。お金にルーズ。この様なタイプはいずれ大きな問題を起こす。ビジネスで言う人間性とは素直、誠実、ウソをつかない。そして知性、品格。誰よりも向上心があり自分にも厳しい。
5.ドロ臭い実践こそ最強の競争力
高収益企業の共通点だ。例えばネットを駆使した情報収集は誰にでも出来る。しかし足で稼いだ情報は誰にでも出来るものではない。読んで字のごとく情に報いることが情報。これを古くさい、昭和のやり方と否定する企業程、業績は上がらずだ。仕組みで勝ち人で圧勝。いつの時代も売上に直結する情報はドロ臭さの先にあるものだ。
6 .目標を達成するには3つのスピードが鍵
ネット時代の到来で売れ筋サイクルは一段と速くなった。これまで以上にスピード対応が求められる。決めるスピード。行動に移すスピード。結果を上げるスピードが3つのスピードだ。これが商品開発スピード、新規開拓スピードにつながっていく。スピード対応が実践できれば価格競争に巻き込まれることが大幅に減少する。
■経営幹部のレベルで業績は決まる
経営幹部とは取締役、役員、執行役員、部長クラス。このクラスになるとヤル気のない人間は存在しないはずだ。むしろ器、能力と言った所に差が出てくる。「天才は有限、努力は無限」往年の名ランナー、瀬古利彦選手を育てた中村清氏の言葉。名刺に書かれている役職の重みと責任を今一度真剣に考えるべきである。
株式会社経営支援センター 国吉拡
ワンポイントトーク
【経営幹部は自らの役割と責務を認識して動け!】