ヤル気よりも習慣化

ヤル気よりも習慣化

2026/05/01

ヤル気よりも習慣化

◆新社会人への質問

    今年も3月、4月と合計で60社300名以上の新社会人、若手社員を対象に研修を担当しました。大切な新入社員を派遣してくださった社長の皆様、ありがとうございます。研修の中で、受講者に対して次の質問を毎回投げかけます。「電話が好きではない方はいますか?」今年も90%以上の人が挙手をしました。年々、増加の一途をたどっている、という印象です。家族や友人とのコミュニケーションも、LINE、SNSを使うのが一般的で電話を使う機会は少なくなっています。しかしながら、配属後、お客様や他部署から毎日何十回と着信はあります。苦手であるからと言って応対を拒否することもできません。また、電話応対以外にも、「業務をうまくこなせるか不安」、「上司やお客様と人間関係をつくることができるか心配」、など現場に出ていないうちから多くの不安を抱えています。幼いころからの育てられ方の影響か、他者の目を気にし、やる前から失敗を出来る限り避けたい、という傾向も強いのです。

◆「ヤル気を出せ!」という指導は効果的か?

    「お前はヤル気がない。ヤル気を出しなさい!」とか「さあ、モチベーションを上げていこう!」と部下に発破をかけるリーダーも多いです。しかしながら、「ヤル気を出せ」という声がけで相手がヤル気を出すことはありません。なぜなら、「ヤル気」は内発的なものであって、外部から他者がコントロールできるわけではないからです。そもそも、仕事をするにあたって、毎回「ヤル気」を出さなければ取り掛かることができないというのは効率が悪すぎます。むしろ、電話を取るのがあたりまえ。一日が終われば日報を送るのがあたりまえ。業務の完了報告だけでなく、経過報告をするのがあたりまえ。新規開拓営業であれば1日50件のTELアポを行うのがあたりまえ。「ヤル気」など関係なく当然のようにこなすルーティーンを増やしていかなければなりません。「あたりまえ」を増やすということ、これが「習慣化」です。日常生活でも、歯磨きをするのに「ヤル気」は必要ですか?食事のあとや就寝前に行う、習慣になっているはずです。リーダーの皆さん、部下のモチベーションをいかに向上させるかに手を焼いていないですか?モチベーショなど結果が出れば後からついてきます。まずは、いかに良い習慣を身につけ結果を出させるかにこだわってください。

◆習慣化するためのステップ

    それでは、結果につながる習慣化のプロセスを解説します。

①まずは正しいやり方を説明し、やってみせる

    習慣化しようにも「やり方は自分で考えなさい」ではうまくいきません。理論に基づいた正しいやり方を説明してください。また、最初は「このようにやるんだよ」と上司自らがお手本となってやって見せてください。

②やらせてみて、アドバイスを行う

    次に本人に実際にやらせてみます。ただのダメ出しではなく、本人の成長につながる改善のポイントを示してあげること。

③できるだけ目標設定は細分化する

    目標は遠くにあればあるほど、達成できないと思ってしまいます。重要なのはできるだけ細分化することです。1か月単位ではなく、1週間や1日単位。1日の中でも時間あたりの目標をつくります。小さな達成体験を積み重ねることで大きな目標達成につながります。

④2~3ヶ月継続

    最初は苦手であっても、毎日行えば、どんなことであっても2~3ヶ月で習慣はつくられます。意志が弱く継続できなかったり、反発をしてくる部下もいますが、根気強く毎日チェック、フォロー。継続すれば必ず上達し、辛くなくなるという明るい未来も示してあげてください。

⑤一人ではなく、チームで行う

    私の支援先でTELアポ営業の指導を行うときは必ず、集中タイムをつくり、全員で電話営業を行う時間をつくります。人間は弱いもの。「時間が空いたら電話しなさい」、と個人任せにして自分で時間をつくる人はほぼ存在しません。相互チェック、声がけによって、やらざるを得ない環境となります。

⑥タイプ別の動機付け

    行動に取り掛からせるための部下の動機付けにもタイプによって、変える必要があります。そのタイプが次の2種類です。

・問題回避型

    トラブルやリスクを避け、出来るだけ安定した仕事の進め方を好むタイプのことです。計画を緻密に立て、少しの成長に注目をしてください。

・目標志向型

    達成したい目標や理想があると、モチベーションが高まるタイプのです。明確な目標を設定し、いまの行動が目標に近づいているという感覚を与えてあげてください。

⑦習慣化すればヤル気は関係なくなる

    行動が定着し、習慣化すれば、自ずと結果がついてきます。また、その行動を行うのがあたりまえとなり、ヤル気は関係なくなります。

◆習慣化させるマネジメントをしよう!

    新入社員や若手社員を育成する上司の皆さん、ヤル気やモチベーションにあまりにもこだわりすぎるのはやめましょう。確かにヤル気を削ぐ言動や指導は厳禁ですし、日ごろの適正な誉め、声がけは必要です。しかし、上司として優先すべきは、部下の結果を出させる指導をすること。それこそが「習慣化」なのです。

【ポイント】   

    仕事において最初は苦手なものでも行動を継続すれば、あたりまえの習慣になる。習慣となれば、成果は自ずとついてくる。

株式会社経営支援センター チーフコンサルタント 吉田 敬真

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