■中小企業の赤字会社が増え赤字額も大きくなる
日本は中小企業が全体の97%。その70%が実に赤字。売上総利益に対する人件費の割合、いわゆる労働分配率。大企業は38%。中小企業は70%。通常65%を超えると赤字だ。多くの中小企業は賃上げも出来ずボーナスも寸志程度。経営環境の潮目は完全に変わった。長く続いたデフレから、今や強烈なインフレ。円安で仕入れ価格は上昇。人手不足も加速。ここにきて金利も上がり始めた。価格転嫁出来ない企業は一年持たず市場から弾き出される。2026年は大倒産時代の始まりの年になる。
■2026年の経営環境といま打つべき手はこれだ
残念なことに誰が総理大臣になろうとも日本経済が上向くことは1000%無い。働く美徳は薄れ、働き方改革という名の働かせない改革。甘く緩い平和ボケの国になってしまった。財務基盤のしっかりした上場企業と生産性が上がらぬ多くの中小企業では、もはや分断経済といっても過言ではない。それでも収益力を高め生き残るための手を打つべきことは次の7点。
1 .社員一人当たり年間6%の粗利益増を目指す
生産性向上の基本指標として何度も記載してきた。今後、4~5年3%程度のインフレは間違いなく続く。インフレ3%を超えた賃上げを実現し、会社にも利益を残すには社員一人当たり6%の粗利益増が求められる。これで健全経営が成り立つ。そして生き残りの絶対条件だ。
2 .部門利益を見える化し責任の所在を明確にせよ
管理会計制度の導入が急務。売上がいくら伸びても粗利益率が低下すると利益は出ず。上昇する販管費も見える化することで我がごとと考える。赤字では賃金は増えず、人が入ってくる環境はつくれない。幹部の本物のミニ経営者化が必要とされる。部門赤字は全て幹部の責任。それを真摯に受け止める人間こそ成長がある。
3 .年間稼働日数減少の穴埋めは簡単ではない
労務問題や採用戦略として年間休日を増やす企業が目立つ。逆に言えば稼働日が少なくなるということだ。休みが増えただけ一日当たりの生産性を上げないといけない。理屈では理解していても全社員の意識改革とマネジメント強化が不可欠である。幹部は月間売上目標を日割りで必達するという強い意志を持て。毎日の進ちょくチェックで遅れていたらペースを取り戻す具体的アドバイスが重要だ。妥協は最大の敵。
4 .大手は設備投資から研究開発費にシフトする
物づくり一辺倒からネットやAIといったソフトに軸足を移している。自動運転や空飛ぶ車、等まさに象徴的な事例だ。それによって設備投資の予算は絞られる。つまり売上が減少するのだ。生き残るためには新しい業態への売込み。もしくは圧倒的シェアを勝ち取るしか方法はない。
5 .M&Aは慎重に。実際90%が失敗している
毎日届くM&A会社からの案内。M&A会社は自社の利益優先だ。M&A成功の条件は①財務内容が良い。②理念に共感。③お金だけに固執していない。④ビジネスでの補完関係がある。⑤主力メンバーが辞めていない。①~⑤まで合格点が上げられればより成功に近づく。冷静な判断が肝要。
6 .営業利益と借入金額のバランスを考える
不動産業界やメーカーは用地仕入や、毎年の設備投資において借入せざるを得ない。多額な借入は経営上のリスクとなる。「経営は一言で言うとバランス」。年間支払い金利の5~6倍の営業利益をたたき出すと経営上、大きな問題はない。例えば長短の借入10億円とする。金利3%ととすると支払いが年3000万円。必要な営業利益は1.5億から1.8億となる。これでバランスは保たれ金融機関からの信頼も勝ち取れる。
7 .義務を果たさず権利を主張する人間は追放
さすがに追放は出来ない。要職につけるなという意味だ。最近、目につくのは幹部の他責である。現業業務が忙しい、人が足りない、納期が遅い、部下に能力がない。だから目標未達ですと平然と言い切る。いつの時代も業績は幹部で決まる。決めたこと、言ったことはやり切る。期日から逆算して動く。刈り取りと種まきを同時並行で進める。自らの甘さに気づき、そして乗り越えろ。
■全社員がプロ意識を持ち稼ぐ集団へと変貌せよ
2026年は大企業の倒産、日本を代表する企業の合併やM&Aが加速する。水面下ではすでに話が進んでいるはずだ。時代は変わりIT時代からAI時代へと進化。ITやAIは確かに便利ではあるがそれが業績に直結するとは到底思えない。いつの時代も経営の中心は「人」である。だからこそ基礎、基本を徹底し足元の土台を何があっても崩れないようにするのが幹部の職務。2026年、幹部が主導した改革が無ければ衰退は避けられない。幹部よ目を覚まし、しゃきっとせよ。
ワンポイントトーク
【激動の時代、会社存続のカギは妥協を許さない幹部の「執念」である!】