■AI活用だけでは業績は上がらない
アメリカによるイランの攻撃で原油価格が高騰。インフレ、物価高はまだまだ続く。かつて世界を牽引していた日本経済。今では借金だけが増え国力は低下。1ドル160円、170円どころか200円時代もそう遠くない。令和に入りAIの進化が止まらない。活用すると飛躍的に業績は上がると言わんばかり。これは大きな間違い。AIは予測、データ整理、情報精度の業務効率化につながるツールだ。それを使いこなすのは人である。経営のド真ん中にはどんな時代でも人がいる。激変するいまこそ経営の原理原則に立ち戻るべきである。
■高収益企業が実際にやっていること
コンサルティング会社を起業して30年。昭和の後半から平成そして令和の今日に至るまで様々な業界を現場視点でご支援してきた。どの時代においても高収益企業には共通点がある。その共通点こそ「原理原則」の徹底である。経営における原理原則とは次の7点。
1.ブレない理念経営の実践
突出した高収益をたたき出しているのが理念経営だ。多くの企業がクレドや経営方針書に掲げてはいる。しかし現実はお飾り程度で業績貢献に役立っていない。全社員を考え方で束ね、ベクトル合わせをしっかり行う。そして決めたことを愚直に取り組む。新興宗教の匂いさえ感じる。ある面クレイジー集団だ。そんな組織にはどうあがいても絶対に勝てない。
2.給与はどこから貰っているか。根本の指導
これがベテランでも理解していない。水は低きに流れ、人は易(やす)きに流れる。こんなに頑張っている…でも未達。目標達成ができないのは市場のせい、品質のせい、価格のせい、と何もかも他責。給与はお客様から貰う。だから目標未達者の賃金は中々上がらない。プロは結果が全て。賃金とは究極、お客様が決める。
3.躾こそ最強の人育て
ビジネスマンである前に人としてどうかが、問われている。清潔感ある身だしなみ、明るい表情に笑顔。誰にでも気持ち良い挨拶ができる。素直さがあり、常に謙虚。弱い立場の人達にも気配りができる。人間力に欠如しているタイプはクレームが多発する。仕入れ先、外注先に偉そうな振る舞い。レスポンスも遅い。仕事の中身もいい加減で雑。鉄は熱いうちに打て。若い時に修正しないと一生完治しない。
4.やって当たり前、出来て当たり前の検証
基本の出来ていない個性は我流となり、成長はいずれ急ブレーキがかかる。企業も基礎、基本、土台が脆弱だと売上、利益が継続して伸びることはない。まず、やって当たり前、出来て当たり前を重箱の隅をつつく位、リーダーは細かくチェック、確認することだ。当たり前のレベルが高い組織こそズバ抜けた競争力を誇る。
5.収益構造を変える新規事業に果敢に挑戦
半導体業界の様に伸びる市場や最先端分野が必ずしもいいとは限らない。自社のノウハウや技術を生かしどこで稼ぐかだ。勝てる土俵で勝負することが肝要。必然的に主力商品、主力得意先も変わっていく。常に新しい分野に取り組まなければ企業の未来は保障されない。
6.業績はリーダーで決まる。10年後も変わらない
今後儲かるビジネスは何ですか、とよく質問を受ける。「何が儲かるではなく、誰がリーダーかで決まります」と答えている。長年の実践経験から100%間違いない。事実リーダーが代わっただけで万年未達が一気に目標達成することを何度も目のあたりにした。メンバーや主力商品は一緒。この様なリーダーこそ原理原則にそった思考を持ち現場力が卓越している。これはいつの時代でも変わらない。ウルトラCを求めるな。
7.ルールや法則、一貫した行動を重視する
「突飛なやり方」から結果や成功は生まれない。原理原則に忠実な人間はプロセスを得てノウハウを体得する。だから結果の予測が可能となる。そのプロセスをしっかりマネジメントするのがリーダーの役割。ITやAIの進化で考える人間、行動する人間が極端に少なくなった。営業とはいえパソコンと向き合っている時間が長い人間も目立つ。ビジネスとはリアルでドロ臭いもの。現場にこそ売上拡大のヒントと突破口がある。
■原理原則とは成功の道しるべ
顧問先には経常利益率が10%を優に超える高収益企業が多い。それをありのまま診ることができる。中小企業で際だった戦略は正直見当たらない。違いは基本に忠実、行動力と行動量、スピード、やり切る力だ。これらは全て経営の原理原則。この様な環境で育った人材は創意工夫や感受性が圧倒的に高い。人間的魅力があり信頼を勝ち取れる。顧客から選ばれる組織とはそういうものだ。
ワンポイントトーク
【経営に奇策なし。いまこそ、当たり前を地道にやり続けよ!】