■最悪な経営環境はこれから始まる
9ヶ月連続の実質賃金減少。上期倒産件数は12年ぶりに5000件を超え、下期は更に拡大する。人手不足も更に拍車がかかる。アベノミクスの修正もありジリジリ金利も上昇。資金調達も厳しくなり、借入額の大きい企業は金利負担が増すはずだ。経営は生き物。変化に対応できなければ市場からはじき出される。存続か倒産か、そのカギを握っているのが幹部である。これまで以上に幹部の格差が業績格差となる。
■日常業務におけるポンコツ幹部の共通点
自らに甘く人に厳しい甘部。優秀人材は辞め永遠に目標達成が困難な患部。この様なタイプが50%以上占める。ポンコツ幹部の共通点は次の通り。あなた自身に心当たりはないか。
①プライド一流、結果は三流の口だけ番長
②目標未達は他人が悪いと真剣に思っている
③会議は真顔で頑張ります。終わればヤレヤレ
④部下には頑張れ。頑張り方が指導できない
⑤そもそも幹部としての器量や能力がない
■令和版、人を束ね目標達成できる幹部の条件
マネジメントする側の幹部は任せる前に結果
(勝負)はわかる。①危機感、②熱意、③やり切る力、④責任感、⑤目標達成までのシナリオ策定、⑥的確な差額対策、⑦部下を巻き込む力、⑧進ちょく確認、⑨具体的アドバイス、⑩管理できる人数と売上規模。その中からレベルアップする人間が役員に登用されるのだ。激変する令和のいま、求めれられる幹部の条件は次の6点。
1 .地頭が良く大局を見た施策が打ち出せる
高学歴=地頭ではない。地頭とは物事の本質を捉え論理的に考えた策が取れる人間だ。目標までの不足を様々な角度から分析し、その解を導ける。知識の習得と蓄積に優れ、フットワークも軽い。学業優秀は暗記力。ビジネス優秀は目標が達成できる人間なのだ。有名大卒に自分は優秀だと変に勘違いする幹部が多い。
2 .デジタル化時代だからこそ基本を重視せよ
業績悪化企業は基本が全く出来ていない。仕事に取り組む姿勢、挨拶から身だしなみ。報連相からレスポンスまで何もかもがダメダメ。提出期限は守られず、ルールに沿った行動もできない。そんなレベルでシステム導入をしても大金をつぎ込んだオモチャとしかならない。令和のいまだからこそ「原理原則」「凡事徹底」「原点回帰」を強く打ち出せる幹部が求められる。
3 .徹底力と新しいことを取り入れ成果を残す
これまでのやり方で終始すると売上高は10%以上落ち込む。まずは今やるべき施策の継続、徹底だ。業績上がらぬ幹部はそこが緩くチェックも甘い。年が明けると経営環境は更に厳しさが増す。幹部ももう一段ギアを上げなければならない。それが新しい取り組みだ。いまやるべきことの継続、徹底で前期並みの売上高。新しい取り組みの成果があって8%~10%売上高は伸長する。
4 .20代、30代前半に磨けば光る人材はいないか
顧問先でもこの様な事例は多い。酒販小売業A社専務はまだ33歳。自動車板金業B社専務も32歳。どちらも20代後半で主要幹部となり、大きく業績を伸ばしている。そういった人材は仕事の進め方、結果の中身、そして意欲、素直さと若いころから他の人とは全く異なる輝きがある。
5 .この幹部が抜けると困る。それは完全な思い込み
エースで4番が抜ける。誰もが業績に不安をかかえる。しかし実際は逆のケースが多い。むしろ団結力が一層強まり組織力のレベルが上がる。いままで目立たなかった若手リーダーにも責任感が生まれ何が何でも目標を達成しようと必死になる。考え方も変わり行動も変わる。○○部長が異動になって業績が下がったと意地でも言われたくない。プライドと負けん気の強さが良い方向に向かう。
6 .2年連続目標未達は10年やっても同じ結果
営業マンにあるある。どのエリア、どの顧客を担当しても必ず数字を落とすタイプ。一言で言うと顧客にとんでもない位、信頼がなく嫌われている。レスポンスは遅く、約束も守らない、全ての対応が雑。責任者である幹部にも、この様な人間は存在する。まず人望がない、動かない、ピントがボケた指導。偉そうでパワハラ。しかも自分は悪くなく、結果が出ないのは使えない部下のせいだと思っている。即刻、降格で責任者交代だ。
■人間力と言うベースがなければ誰もついてこない
幹部に登用する絶対条件として「人間力」のレベルがある。人間力とは愛社心、人柄、素直さ、知識、論理的思考、行動力、コミュニケーション力、その高いバランスが幹部のレベルなのだ。人間力がベースとなり目標設定、マネジメント技術がはじめて生きる。結局、人間力が弱い幹部は一人相撲となり組織力を活かすことはできない。
ワンポイントトーク
【いまの幹部で目標達成できるか?「変われない」幹部はもはや必要なし。】