■いまの収益構造を変えていく事が経営戦略だ
コンビニが誕生して50年。利便性を武器に大きく成長。そこから凄まじい勢いで変化してきた。ATMや公共料金の支払い、イートインスペースの提供。いまや「生きる」に必要な社会インフラとなっている。「現状維持は衰退の始まり」。いま、高収益であっても変化、進化がなければ過去のものとなり顧客の支持をいずれ失う。利益が出ているうちに次の収益の柱を創り上げる。これこそが経営戦略。赤字になってからでは時すでに遅しである。
■戦略、戦術、戦闘の考え方とその本質
戦略のミスは戦術、戦闘で覆すことは不可能。孫子の兵法にある「戦わずして勝つ」「小が大を制す」その理論は理解できる。しかし経営とは戦わないと負け、小の勝ち方がある。経営における戦略、戦術、戦闘の本質は次の9点。
【戦略編】
1.自社の歴史を振り返り伸びた原因を再確認
新しい取引先ができた。新工場稼働、新商品が爆発的に売れた。過去を振り返る事で今後の戦略に厚みが増し、より具体的になる。歴史からの学びは愛社心も高まり得るものが大きい。
2.進むべき方向と売上拡大が完全にリンクする
まずゴールのイメージがハッキリ脳裏に浮かぶかだ。経営とは学問でもなければ評論家では成り立たない。打ち出した戦略を顧客に喜んで頂きお金に変える力である。雑な戦略では頓挫する。出たとこ勝負では競合に負ける。進む方向を明確にし用意周到に準備することだ。
3.粗利益率の高い商売を目指す
儲からない企業は粗利益率が低い。「戦略=高粗利益率」があるべき姿。商品開発、直取引き、短納期、小ロット対応。大企業では出来ないスピード対応やキメ細かさが求められる。それと何と言っても人材育成だ。粗利益率の高い商品は付加価値高い人財にしか扱うことは出来ない。
4.伸びている市場のど真ん中には参入するな
伸びている市場は資金力が豊富な大企業には勝てない。狙うならその周辺のニッチが理想。人材も電気技師、土木施工管理技士と言った土業がからむと競争力が一段と高まる。大企業が魅力を感じない小さな市場でのトップシェアは高収益が実現できる。拡大する市場は価格競争も厳しく消耗戦は避けられない。
【戦術編】
5.ベクトル合わせで「 勢い」をつける
打ち出した戦略を全員で共有、つまりベクトル合わせだ。そこを強烈に伝えないと本気で、走りださない。勢いをつけるには「ベクトル合わせ」 ✖ 「やり方の具体化」✖「やり切る力」である。
6.拠点に合った戦略の落とし込み
ズバリ戦略の落とし込みはリーダーの能力だ。信頼なきリーダーは横文字を交えカッコ良く話す。ただし中身はうすっぺらい。ダメリーダーはやり方まで説明する。しかし何もかもがピンボケ。優秀リーダーは人材レベル、競合先の特性、拠点体質まで熟知しており指示が的確でわかりやすい。だから動きにスピード感がある。
【戦闘編】
7.目標達成までの進捗に手を抜くな
目標には常に期限がある。いまの進捗状況で目標に届くか、どうかだ。甘いリーダーは目標期限が近づいて対策を講ずる。期限が近づいた対策では打つ手は限られる。変化の激しい時代において、短期三ヶ月、中期一年、長期三年、のサイクルで目標管理を実践するべきだ。
8.順調でも隠れたガン細胞を取り除け
経営に油断や隙があってはならない。例え目標達成が確実だとしても実績の中身や、今後の見通しを常に厳しい眼で見ることが危機意識。目標達成に浮かれていたら、迫り来る脅威に備えることが出来ない。今後の成長を防げる小さなガン細胞は完全に除去しなければならない。
9.戦略とは「 やり切る力」を持って完遂する
当然のことではあるが戦略とはやり切ってこそ成果は上がる。儲からない企業は本当に本当にそこが甘い。素晴らしい戦略でもこれでは結果が出る訳がない。絵に描いた餅とはまさにそのことである。
■戦略より戦術、戦闘の差が業績を左右する
戦略とは自社の強みを磨き上げ、勝てる土俵で勝負する。戦術で目標達成までのプロセスを具体的に落とし込む。最終勝負が戦闘だ。決めた事を狂った様に徹底してやり切る。この様な体質だと競合先の士気は間違いなく低下する。それは勝てる見込みがないからだ。その戦術、戦闘を現場で動かす人物がリーダーなのだ。いつの時代でも企業収益は現場のやり切る力で決まる。
株式会社経営支援センター 国吉拡
ワンポイントトーク
【圧倒的な戦闘力でライバルを凌駕することで、必ず結果(利益)はついてくる。】