■物価高対策をやればやる程、物価は上がる
衆議院の電撃解散の結果、自民党が圧勝。今回は与党も食品消費税を2年間ゼロにすると公約している。法制化されれば約5兆円のマイナス税収。赤字国債が財源だ。先進国の中で飛び抜けて悪い財政内容。海外投資家は大丈夫かと日本売りが加速する。これが円安の最大原因。輸入比率の高い食料品、エネルギー価格はさらに上昇するのは必至。国力も低下し為替も近いうち170円~180円時代がやってくる。
■金利高、資材高、人件費高の具体策
政治家が景気をよくすることは出来ない。全社員が一丸となって目標に突き進むことだ。
1.金利高対策
昨年12月政策金利から引き上げられ、今後も引き上げられるのは確実。与信管理も強化が必要。企業における金利高対策は次の通り。
①金融機関との交渉
100%金融機関は金利を上げてほしいといってくる。そこに対し上手に交渉することだ。複数金融機関との取引。そして自社の成長アピール。売上伸長、在庫圧縮、営業利益の拡大。特に半期ごとの業績推移は最も注視している。
②借入金の削減
金利が上昇すると経営の負担は増す。営業利益と支払い金利のバランス。不要な借り入れの整理。低金利時代の借り得とはいかない。
③早期回収と在庫管理の徹底
支払いサイトの短縮で手元資金を増やしていく。そして在庫管理の効率化で運転資金の負担軽減を目指す。場合によっては高く売るより速く売る、この様な施策も時には必要となる。
④仕入れから回収までの短サイクル化
金利が上がって最もリスクなのはお金を寝かすことだ。仕入れから回収までの期間をいかに短くするかがカギ。その期間が長いビジネスモデルだと「勘定合って銭足らず」に陥る。
2.資材高対策
円安、人件費高によって仕入れコストは上昇する。この状態はあと数年続くと考えるべき。
⑤値決めは経営( 価格転嫁)
稲盛和夫氏の名言だ。質=率となる。単価を上げ粗利益率を向上するには商品、フォロー、特に人の質を高めなければ価格転嫁は出来ない。
⑥相見積もりの徹底
出来ている様で、多くの組織が徹底されていない。これまでの付き合いや取引先を変えることが面倒臭いというサラリーマン根性。一円の利益に対する危機感が完全に不足している。
⑦内製化と外注
勝てる土俵で勝負することだ。自社の強みは内制化し圧倒的差別化を図る。利益貢献が低い業務を外部委託する。その見極め判断が重要。
⑧粗利益率の高い商品の交渉
ここが盲点。粗利益率が低い商品は目の色を変え仕入れや、値上げ交渉をするはずだ。粗利益率が高い商品はそこまで熱心な交渉はしていない。マネジメントの切り口だ。
⑨粗利益率目標の死守
考える人材を育成する。新規開拓を積極的に展開すると粗利益率は低下する。粗利益率の低い商品もあれば高く取れる先もある。原価意識を強く持つことで帳尻り(粗利益率)は合わせられる。生産性の高い人間は粗利益率が高い。
3.人件費高対策
春闘も始まる。今年も5%~6%を目指すと鼻息が荒い。しかしそれにはトリックがある。メディアで報道される賃上げは経団連加盟の大手1600社が対象。日本は99%が中小企業。取るべき人件費高対策の着眼は次の通り。
⑩ベテランで生産性の低い社員の処遇を検討
入社歴は長いが生産性は低い。しかしそれなりの賃金。そこにメスを入れないと若い人間の賃金は上がらない。人事制度の見直しも必要。
⑪間接部門の強化
営業事務、総務、経理等がそうだ。数字には出てこない業績貢献を果たすと、一気に生産性が高まる。商品知識もあり見積もり策定もできる事務。管理会計の月次決算が月初に出る経理。それも少数精鋭で小さな間接部門が理想。
⑫労働生産性を高める
これこそ人件費対策の一丁目一番地。具体的には社員一人当たりの年間の獲得粗利益(付加価値)だ。メーカーで社員一人あたり1500万/年以上。それ以外の業界で1300万/年。
■経営とは人を育て自己資本比率を高めること
バランスシートには人の価値は反映されない。実はそこがカギ。目に見えない含み益だ。中小企業は人を育てコツコツ利益を積み上げ自己資本比率を高めることに尽きる。それこそが物価高、資材高、人件費高に対応できる強い企業体質となる。
ワンポイントトーク
【経営を圧迫する超コスト高。全社一丸となり利益確保に取り組まなければ企業の存続無し!】