若手人材を抜擢し、組織活性化を図れ!

若手人材を抜擢し、組織活性化を図れ!

2023/12/01

若手人材を抜擢し、組織活性化を図れ!

生き残るのか?淘汰されるのか?幹部に問え

 上場1020社の2024年3月期、純利益見通しが昨年比13%増と最高益となる。円安、値上げによるところが大きい。メディア、政治家は常にその情報を大きく報道する。決して間違った情報ではない。あくまでも一握りの大企業にすぎない。日本の法人は270万社。上場1020社とは 0.038%だ。宝くじの当選確率みたいなものである。このような一握りの企業は賃上げも十分可能。しかし、全法人の99%を占める多くの中小企業は、70%が赤字。賃上げどころか、冬のボーナス支給も目処が立たない企業も多い。人口減少、慢性的な人手不足。資材、人件費の高騰。しかし価格転嫁できず。これで利益が出るわけがない。人を徹底的に鍛え、新しいことに果敢にチャレンジしなければ淘汰される。幹部に聞いて欲しい。我が社は3年後、生き残っているのか?淘汰されているのか?を。

変われないベテランより、意欲ある若手を抜擢せよ

 手前味噌になるが、管理職になったのは新卒で入社して4年、20代半ば。チームの売上高、利益目標を任せられ悪戦苦闘した日々が昨日のように思い出す。30年以上前のことだが「マネジメント」手法は今も全く変わらない。次の12項目を徹底した。

一番早く出社して、出勤する部下の表情を見る

朝礼で一人ひとりの行動予定を確認しアドバイスを行う

業績貢献度の高い既存顧客に同行営業

ここぞという部下の新規先へクロージング同行

見積もりには全て目を通し、粗利益率をチェック

工場稼働状況を把握し納期が間に合うかを確認

営業全員一日3回の報告でキメ細かい指導

月初で今月の着地と3ヶ月先の業績の見通しを判断

帰社後、部下とのちょっとミーティングの実施

日報はその日でチェックしコメントを記入

在庫状況は常に頭に入れ、未収、入金遅れはないかを把握

四半期に一度、個別面談を実施し成長テーマを共有

12項目は今でも十分通用するはずだ。マンネリにおちいり口先ばかりの変われないベテランを今のポジションに置いてはジリ貧になるばかり。荒削りであっても意欲ある若手の方が「変える力」は圧倒的に強い。これからの組織のあり方を根本的に見直す時期がやってきた。

抜擢する若手人材の目利き

 新卒だと入社3年、中途だと1年で将来の伸び代がどの程度あるかはおおよそ検討がつく。入社して10年経過して小さく化けても大化けなどしない。若くてリーダーに登用しても業績が向上する人材の目利きは次の8点。

1.明るく行動力があり、清潔感が漂っている

 20代、30代で専門能力が高くても挨拶ひとつまともに出来ない人間に人はついてこない。「若者らしさ」は何よりもかえがたい武器なのだ。明るさとは人柄とうつり、行動力は心に突き刺す説得力ある言葉を使いこなす。そこに清潔感が加われば老若男女、誰からも好かれる。まずは第一印象。

トンがっていても敵がいない

 トンがっている若手人材は自分の意見や想いを主張する。「今の若い者は…」というベテラン社員から小言を言われるのが一般的。しかし伸びる若手は、トンがっていても敵が驚くほど少ない。それは素直さや、気配り、礼儀礼節といったヒューマンスキルを持ち、可愛げがあるからだ。

サンスウ(計数管理)にめっぽう強い

 マネジメントには必ず計数管理がついて回る。粗利益率、在庫管理や回収管理。新入社員であっても数字に強い人間は日常業務の中で垣間見れる。例えば先月の売上実績、粗利益率実績は?と聞くと間髪入れずに正確な数字で答えられる。これは目標に対する強烈な意識がある証でもある。意識が高いから頭に数字がスゥーと入ってくるのだ。

顧客ファースト=仕事ファースト

 失われた30年。日本が凋落(ちょうらく)した原因の一つに仕事に対する姿勢、仕事への向き合い方、仕事との距離が間違いなくある。いま伸びている企業は全社員のベクトルが合致し、それぞれが与えられた目標に対し死にものぐるいで挑んでいる。顧客ファーストとは仕事を中心に時間を組める人間だ。言うのは簡単、しかし実行は難しい。そんな若手社員がリーダーとなれば会社は劇的に変わっていく。

若手社員であっても実績を叩き出している

 実績に勝る説得力はない。若手といえども頭一つ、いや三つくらい飛び抜けた実績が欲しい。そういう若手人材を育てるには「下積み」期間を短くすることもポイント。営業に上がるには3年間、配達業務。営業に上がっても先輩のフォローから。これでは成長スピードが遅くなってしまう。入社してから2〜3年たてば一通りの仕事を覚えるはずだ。飛び抜けた才能ある若手社員は近くに存在する。

誰のもとで育ったか

 配属された最初の上司は、その人間の将来を一変するくらい影響力がある。私がそうであった。当時の太田副社長のカバン持ちだ。世界中の誰よりもおっかなく、とんでもなく愛情を感じた。道中の会話、顧客との商談、その光景が脳裏に強く焼き付いている。故人ではあるが、ときおり夢に登場することがインパクトの大きさを物語っている。人育ての上手な上司の考え方、ノウハウを自分がリーダーになったら同じやり方を現場で再現することができる。

7.仕事の達成感が一番。賃金はその次

 目標を成し遂げた時の達成感はリーダー一人の喜びだけではない。組織に強い絆が生まれる。この経験はお金には変えられない価値がある。要職について待遇面で不満を口にするタイプは長続きはしない。不満がモチベーション低下につながるからだ。「自分の評価は周りがするもの」「お金は後からついてくる」このような考え方のリーダーが部下の信頼を勝ち取り、結果、賃金も大幅にアップする。

8.見えないところで努力している

 課長昇進に平均10年かかる会社があったとする。結果を残し5年でその役職に昇進。このようなタイプは見えないところで勉強し、コツコツ努力している。経験という時間軸を人の3倍のスピードで突き進み自分のものとしている。努力は決して自分を裏切らない。何よりも成果の上げ方、生産性の高め方を若くして体得している。人を見る目は鋭い。人の良さを引き出すのも上手い。人を巻き込み結果を出すのも早い。

■「地位が人をつくる」は若手の社員の抜擢にあり  

 年功序列の組織でそろそろ君がリーダーだと言われ、役職を与えられた。きっとその地位になったら変わってくれるだろうと期待する。しかし現実は全く機能しない。むしろ混乱が起きる。一方、熱意と行動力がある若手人材は役職というブカブカのスーツも短期間で成長し、ピッタリとスーツが合ってくる。「地位が人をつくる」まさにそのもの。何度もチャンスを与えても変われないベテラン社員に見切りをつけ、若手を抜擢せよ。 

ワンポイントトーク
【若手でもリーダーとして活躍できる適切な信賞必罰こそ、強い組織づくりのポイントだ!】

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