自分自身が商品の一番のファンであれ

自分自身が商品の一番のファンであれ

2026/02/01

自分自身が商品の一番のファンであれ

自社のことを本当に嬉しそうに語る営業Hさん

    私が住宅を購入した際のエピソードです。子どもが小学校に入学する前にマイホームを購入したいと考え、様々な物件を見学しました。結局のところ、どのメーカーを見ても一長一短。デザインや耐久性が素晴らしい、と思っても非常に高額。お手頃であっても保証が非常に弱い。耐震性にこだわる余り、間取りに制限がある。日ごろ、住宅会社の営業研修で、「住宅購入で、お客様の全ての要望を満足させることなどできない。優先順位を明らかにし、妥協させることが肝心」、と説明しているにも関わらず、自分の高額な買い物となるとそのようなことは全くできません。検討開始から3ヶ月が経過し、意見の相違で夫婦仲も悪くなるほど。結局このままズルズル選んでも決まらないと考え、しばらく住宅のことを一切考えない期間を設けました。
   半年のブランクを経て、購入検討を再開しました。できるだけ先入観を捨てるため、全く候補にもあげていなかったメーカーの展示場にフラッと飛込みで見学に入りました。そこで出会った営業Hさんの営業スタイルに感銘を受けたのです。ニコニコとした笑顔。子どもに対するちょっとした気配り。決して他社の悪口を言わない。私たちの細かい質問に対する的確な回答。そして、何よりも素晴らしいのが、自社の商品のことを楽しそうに、嬉しそうに語るのです。「金額と性能のバランス。採用している断熱材の素晴らしさ。オリジナルの全館空調の仕組みの利点」そこに全く嫌みは感じません。例えるならば、小さな子供がお気に入りのおもちゃを自慢するよう。本心から自社の「家」が好きなのです。結局、あれほど悩んでいた住宅購入も、迷うことなく、Hさんにお願いすることに決めました。購入後も全く後悔は生まれませんでしたし、実際に住んでみてもHさんが述べていた快適性に満足しています。これこそが、「自分自身が商品の一番のファンである」ことを具現化している営業です。

◆不満ばかりの営業からモノを買いたいか?

    弊社にも様ざまな営業が電話や飛込みで売り込みに来ます。最初は商品・サービスの利点を説明しますが、話しているうちに「少し高いですけどね」や「ちょっとここは使いにくいです」などと不満を口にします。もちろん、商品の欠点を隠さず誠実にあらかじめ説明しておくことは後のトラブルを防ぐため、信頼を勝ち取るために重要なことです。しかしながら、余りにもその不満が全面に出てしまうのは本末転倒です。自分が好きでもない商品をなぜ、人に売りつけるのでしょうか。そのような営業からモノを買いたくなることは100%ありません。欠点を説明するのであれば、それを上回る利点を強くアピールする必要があるのです。

◆自分自身が商品の一番のファンになるためには?

    では、自分自身が商品の一番のファンになるためにはどのようにすれば良いでしょうか。それが次の通りです。


①まずは自分で体験をする
 アパレル店員の鉄板トークに「私もこの服持っています」があります。本当に持っているかどうかは定かではありませんが、実際に使っている人の体験談は説得力があります。また、自分で体験をし、良さを感じているからこそ、商品のメリットを本心からお客様に伝えることができるのです。

②欠点が先に見えている
    営業にとって、下手に知識がある分、商品のメリットよりも欠点が先に見えていることの方が多いです。私も新卒で入社した保険会社時代、自社保険商品が大嫌いでした。「複雑でわかりにくい」、「他社に比べ高額すぎる」などと考え、終いには「保険なんて死んだらいくらのギャンブル商品」などと、不適切極まりない表現をしていました。この様な考えでは売れるわけもありません。どのような商品にも欠点と同時にメリットは存在しますし、メリットが無ければお客様の購入理由など存在しません。

③購入してくれたお客様になぜ購入したか、の理由をきく
    購入してくれたお客様には必ず購入した理由を確認してください。「今回はありがとうございます。ご決断の理由を教えていただけますか。」と確認することで、自分では気づかなかった商品の利点に気づかされることも多いです。

④良さを30個以上、書き出してみる
    どんな商品でも良さを見つけることはできます。試しに商品の良い点をノートに30個以上、書き出してみてください。頑張って考えたメリットのいずれかは、実際の商談の現場でも相手に響くものが存在します。

⑤ロープレ
    どんなに自社の商品の良さを自分自身が感じていも上手く言葉で表現することができなければ伝わりません。そこで重要なことが場数を増やすことです。実際の商談数を増やすのはもちろんのことですが、まずは、社内で「自社の商品のメリット説明」をテーマとしてロープレを行ってください。同僚、上司をお客様役として流暢に説明できるようになってはじめて、本番でも上手く説明ができるようになります。

◆自社の商品のファンである営業にはファンが増えていく

    冒頭に紹介した、営業Hさんとの購入後の会話でわかったのですが、Hさんはそのハウスメーカーの中でもトップセールスでした。また、契約の中でも飛びぬけて多いのが、紹介とのこと。事実、私も住宅を購入検討している知り合いにHさんを紹介したことがあります。自社の商品のファンである営業は、お客様が安心して知人を紹介でき、お客様がお客様を呼んでいくこともあるのです。

【ポイント】   

自社商品の愚痴文句ばかり言っていればお客様は失望する。自社商品のファンである営業はお客様に安心感と信頼を与え、お客様の購入動機につながる。

株式会社経営支援センター チーフコンサルタント 吉田 敬真

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