人間力を高めることが最強の差別化戦略となる!(2021年7月号)

人間力を高めることが最強の差別化戦略となる!(2021年7月号)

2021/07/01

人間力を高めることが最強の差別化戦略となる!(2021年7月号)

■デジタル化時代こそ人間力が重要

 コロナの影響でデジタル化が急速に進んでいる。リモートによる会議、営業、研修等々。昨年、入社の新卒社員が、いまだ先輩社員と直接会ったことがないと寂しげに話す。大学もリモートによる講義で、サークル活動も自粛。これではコミュニケーションや人脈形成が後手後手になってしまう。デジタル化時代の盲点。それはズバリ「人間力」だ。人間力が磨かれている人物は感受性が高く、空気を読み、誰からも好かれる。このようなタイプはリモートでは絶対に育成できない。やはりリアルが重要。時代は大きく変わる。しかし、人間の本質、ビジネスの本質は全く変わらない。ビジネスモデルは素晴らしい。しかし人間力は問題がある。これでは、どんな手を打っても高収益企業には程遠い。「人間力を高める」デジタル化時代だからこそ、もっとも強化する分野なのだ。

■人間力を重要視している企業は高業績

 東京に本社を置く不動産O社。破竹の勢いで2年後の23年9月期の売上高は、20年9月期と比較して2倍の1兆円を目指す。特徴は企業理念が全社員に浸透している点だ。まさに理念実践型経営。若手社員がイキイキ、ハツラツしており明らかにライバルとは熱量が違う。「業績をあげ規模を拡大し、社会に必要とされる会社となります」が企業理念。体のすみずみまで、その理念が行き渡っている。目標を達成するという姿勢がブレない「筋金入り」の社員が育っている。そんな風土の企業が伸びないわけがない。

■人間力を高める秘訣

 全社員が人間力を高めると、あらゆる品質が向上し業績も上向く。逆に言うと業績低迷企業は人間力の欠如である。人間力に磨きをかけている組織は日々変化する市場で本気で考え、本気で動き、そして最後までやり切る。そこに業績向上のヒントが隠されている。人間力を高める秘訣は次の5点。

1.経営理念の浸透と自己実現

 経営理念を自らの立場で考え、愚直にやり切る。それが結果として出てくると経営理念と自己実現が見事に一致する。何よりも社会に必要とされていると自信を深めるのだ。組織全体が、そのレベルに到達したら圧倒的に強い。周りからみると宗教団体にさえ見える。頑張るを越え、狂ったように顧客満足を高めようと努力を惜しまない。

2.人生観、仕事観の議論

 売り方や、やり方の指導の前にどう生きるか?仕事にどう取り組むか?を徹底して部下と議論すべきである。そこに100点満点の答えはない。むしろ、そのテーマを議論することに意義がある。「言われた仕事だけをこなす」それでいいのかとフツフツと疑問がわいてくる。そこから脱却することで、人としての付加価値や魅力が身についてくる。

3.右手に顧客視点、左手にソロバン

 顧客を自分の大切な人だと思うと視点が大きく変わる。要望を満たすために全力を尽くす。的を射た提案、スピーディーな対応。その姿勢に共感や信頼を感じる。これこそ人間力。そんな人間が提示する見積もりは一点の曇りもない。価格で負けましたがない、非価格競争だ。結果の上がらない人間は、顧客を目標達成の道具としか思っていない。そこにまず気づくべきである。

4.善悪と損得

 コロナで多額の補助金が出ている。飲食業に対し時短、休業支援金もその一つ。規模にもよるが1日当たり4〜10万円の支給だ。しかし、中には安い家賃で、社員を雇用し補助

金目当てのケースもある。10店舗展開すると莫大な利益となる。法律上の問題はない。それを良しとするかだ。目先の利益で善悪の判断がくるってないか。世のため人のためがビジネスの大原則。善の行動こそ最後は必ず実を結ぶ。

5.学びにゴールはない

 人間力とは誠実な人柄、正しい判断、打てば響く行動、そして深い知識を持ち合わせている。知識がなければ、打ち出す戦略もピントがズレる。これまでの実績も充分。しかし、今も学びに貪欲。だからこそ引き出しも豊富なのだ。「学び」の弱い人間は存在感が薄れ、強いリーダーシップを発揮することはできない。

■人間力満ちあふれる部下指導

 人間力の高いリーダーは部下に気づきを与え、やる気を引き出す名人だ。そのポイントは次の6点。

部下指導の根本は「考え方」にある

 どんなに能力があっても「考え方」が間違っていたら悪い方向へと進む。クレームに始まり事故や事件を引き起こす可能性もある。正しい考え方のバイブル、それが経営理念だ。

②原因他人論は人間力のカケラも感じず成長もない

 環境のせい、価格のせい、品質のせい、他責の思考、精神をぶち壊さなければならない。他責の人間は理屈が多く、行動力も弱い。デキの悪さが表情に出ており、顧客も一瞬にして読み取るはずだ。他責を自責に変えるには骨の折れる指導となる。しかし、リーダーはそこから逃げてはいけない。

思考100%→準備30%→行動10%→成果3%

 上手くいくイメージができるを100とすると、その準備に実際取りかかる人間は30%。それを行動に移す人間は10%。成果をあげる人間はわずか3%。淘汰される企業の原因はそこにある。成果を出すには、企業を存続させ、部下と自分の家族を守るという生き延びる精神が必要なのだ。

人を育てる2種類の情

 情がなければ人はついてこない。情とは決して優しい言葉、態度だけではない。本人の成長を願いながら、泣きの入る位、厳しい指導もこれまた情である。優しい情、厳しい情、その二つを使いこなせてこそ人は育つ。

自己犠牲

 自己犠牲とは誰かのために、と仕事に取り組むことである。その精神があれば見えない所、目立たない所でも最大の努力をする。どんな仕事であっても決して手を抜かない。結果として「次工程はお客様」につながる。そのような風土がつくり出す商品は高品質で利益率もすこぶる高い。

部下を育てての目標達成は成長が持続する

 目標達成がリーダーの居場所を守る保身になっていないかを考えて頂きたい。リーダーの仕事とは目標達成と人育て。将来、会社を背負って立つ人材に育てたいと想う気持ちが重要。同じ目標達成でもリーダーの考え方次第では単発で終わる場合もある。

■人間力は全てを変える魔法の杖

 人間力高い組織はやる気に満ち、ベクトルが共有され、しかも何事も全力で取り組む。人物的には素直、誠実、謙虚といった人間味。知識、見識、学びの教養。戦略、実行、結果を出すプロ意識。これらを持ち合わせている。収益改善を目指すも、なかなか結果がともなわない。ひょっとすると、人間力という根本問題に気づいてないのかも知れない。(経営支援センター国吉拡)

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