■市場は縮小し、老いて没落する日本
日本人の平均年齢が世界で初めて50歳に到達。高度経済成長真っ只中の1970年は30歳だ。貿易立国と君臨したのも崩壊しつつある。この1月~6月は韓国、台湾が輸出額で上回っている。AI半導体が急伸しているのだ。この9月から年末にかけて留意すべきポイントは次の6点。自社の経営戦略に活かしてもらいたい。
①為替介入も165円を目指す円安は変わらず
②金利は緩やかな上昇。年内利上げの可能性あり
③来年最低賃金が平均1230円。4・6%UP
④今後2年間は2%から3%の物価高は続く
⑤大企業と中小企業の賃金格差が更に拡大
⑥人手不足がより深刻化。倒産、廃業が急増する
■収益力向上のために取るべき施策
今年後半はリーマンショック以降の厳しい経営環境となる。先の6つの留意するポイントを踏まえ、企業がとるべき戦略、施策は次の6点。
1.タンクロ( 単月黒字 )経営の実践
経営の原理原則は今も昔も全く変わらない。高収益企業はリーダーが部門利益に対し強烈な目標意識を持っていることが共通点。売上高はもちろんのこと、粗利益、在庫、与信、回収と利益を残すために様々な視点でマネジメントを行う。毎月黒字を実現するのがタンクロ経営。この様なリーダーは赤字は悪と考え行動力抜群のレベルの高いミニ経営者となる。頭で理解してはいても結果を残しているリーダーは極めて少ない。
2.若手の育成。ベテランの活用と生産性向上
まずは採用だ。いい人材を採用するにはズバリ「伸びている会社」が絶対条件。給与や年間休日も確かに選ばれる条件ではある。しかし売り上げは減少、赤字企業に人は魅力を感じることはない。そして先に述べた日本人の平均年齢が50歳になった。どの企業にも50代以上の社員が存在する。その生産性が問われる時代。50代以上の社員の生産性向上の着眼として
①頭数の一人で期待しない。給与分だけ稼ぐ
②出来る業務、得意な仕事に集中
③若手社員とジョイントさせ刺激を与える
④腐った「ミカン」なら他の社員と交わらせない
⑤賃金体系を見通し一年単位で更新する
3.粗利益率改善は生産性向上に必要不可欠
粗利益率が改善しての売上高拡大は成長。粗利益率が低下しての売上高拡大は膨張。高い粗利益率は経営の質が高いという証明。人の質、商品の質、工場の質、リーダーの質。生産性向上には何がなんでも改善したいところ。原材料、仕入れ価格上昇は値上げのチャンス。仮に粗利益率が3%改善したら営業利益はどうなるか?をシュミレーションしてみると良い。粗利益率の改善が業績にいかに貢献するかが理解できるはずだ。
4.売上高の中身を分析し営業利益第一主義で挑め
まず赤字商品、赤字得意先、赤字部門、赤字社員に鋭くメスを入れる。赤はゼロにしたらその分利益となる。経費にも切り込め。例えば伸びている商品があったとする。問題はその商品を拡販するコストだ。ネット広告やイベント出店、それに伴う人件費含むと全く利益が出ていないケースがある。売上を捨てた方が利益はでないか、いまは筋肉質の体質を創り上げることが最優先。
5.リスクを取らないビジネスは儲からない
「健全な投資があってこそ健全な利益は確保できる」人材、設備、システム等、投資がなかったら厳しい市場では戦い負けてしまう。仕入れて売るだけのビジネスモデルはどうしても薄利多売になる。大企業を見ると分かりやすい。ユニクロは開発、生産、そして販売まで一気通貫。ドン・キホーテもPB商品が拡充している。キーエンスは強烈な営業力だけが話題になるが商品開発も同業他社を圧倒している。「利は元にあり」。自社商品や自社開発は値決めの主導権が取れる。
6.IT、AIを駆使し業績向上に繋げる
埼玉県越谷市に本社を置く株式会社マルヨシ。不動産業だ。今、最も力を注いでいる顧問先でもある。相続、空き家をキーワードに売上も20億→前期28億→今期45億を目指している。3年後100億を達成するんだと創業者である小山社長は熱く語る。もちろん人材育成も熱心。凄いのはIT、AIへの投資である。なんと自社でアプリ開発までやってのける。一括査定サイト、空き家情報アプリがそうだ。これからブラッシュアップを重ねると更に競争力が高まるのは確実。
■勝てる土俵で勝負し、勝てる視野を広げていく 自社の強みを明確にし、そこを徹底し磨き上げる。工場だと小ロット対応、短納期、高品質。販売会社だと自社商品の開発、提案力強化、売った後のフォロー。原点回帰とは理念経営、少数精鋭、タンクロの実現、若手の育成とベテランの生産性向上。それには経営幹部の強烈な危機感と行動力が求められる。名ばかりの経営幹部は組織に必要ない。
ワンポイントトーク
【いまこそ、「商売の基本」に立ち戻れ!!】