赤字は悪だ③ 高いモチベーションを持続できる秘訣(2021年12月号)

赤字は悪だ③ 高いモチベーションを持続できる秘訣(2021年12月号)

2021/12/01

赤字は悪だ③ 高いモチベーションを持続できる秘訣(2021年12月号)

緊急提言!今こそ対面営業を強烈に押し進めろ

 これまでの緊急事態宣言で営業の足腰が弱っていることが気になる。活動量は激減し売上は低迷。もはや、営業部門ではなく顧客からの問い合わせに応じる業務部門状態。今すぐ営業が取り組むことは次の4点。

1.営業はアナログが最強。理屈を言うな、とにかく動け

 リモートで既存商品は売れても、新商品や重点商品はなかなか売れない。ち密な行動計画を立て、事前準備を行った上で訪問する。空振り営業とならぬよう、アポイントもしっかり取る。訪問は行くだけ、面談は会うだけ、商談は具体的提案まで実践することである。

2.いま実績を上げる営業マンの共通点

 キーワードは①素直②熱意③行動力の3点だ。素直さがあればスポンジのように吸収しノウハウの体得が凄まじく早い。熱意があってこそ顧客の心につき刺さる。何よりもライバルと圧倒的な差別化がそこで図られる。そして行動力は訪問から受注までの時間が短縮され効率営業の基本となる。素直×熱意×行動力=「自らの成長」を促す方程式だ。ITツールに依存しても売上拡大はない。営業とは人間力、そして実践力で決まる。

3.目標売上高の10%が新規開拓の目安

 既存得意先を守るだけでは売上は伸びない。いかに新規開拓を実践するかに目標達成はかかってくる。「リストアップ→アポ取り→訪問→定期フォロー」その流れを徹底することだ。新規受注件数は訪問数と比例し、一件当たりの売上高は提案力に比例する。

4.部下の主要得意先を把握し具体的指示を出せ

 部下の特性を知らない。商談状況も知らない。部下の得意先も知らない。知らないだらけで指導や指示はできない。やったとしても抽象的で成果につながることはない。リーダーのマネジメント強化とは「知る」ことからスタートする。このような環境だからこそ原理原則に立ち戻るべきである。

本編、赤字は悪だ③高いモチベーションを持続できる秘訣

 2011年に某FC本部(東証一部)向けに執筆したコラムを加筆修正し、4回に渡りお送りします。今回はその3回目。10年前の内容ではありますが、多くの加盟店の経営者からいまだに幹部の皆様にお読み頂いていると声を聞きあえて連載いたします。表現内容がこれまでのニュースとは異なりますが、参考になれば幸いです。

営業は心の強さが90%、残り10%が技術である

  売れている営業と売れない営業は一体何がどう違うのか?長いコンサルティング活動から見てみますと、それはズバリ、モチベーションの差なのです。営業は生まれもった素質の差ではなく、努力の積み上げの差が極めて大きいと言えます。目標未達の営業は、なぜ目標が達成できないかは、心の底では(胸に手を当て)その理由がわかっています。それは商品知識の不足や営業テクニックでは決してありません。100%自分自身のモチベーションが低いことが目標未達の根本原因と答えるでしょう。営業は折れないそして、強い心があれば自発的になり、自分自身の足りない部分(商品知識や専門知識)を努力でカバーします。

自分の心に火をつけられる人間になろう  

自分の心に火(ヤル気)をつけられるタイプはせいぜい3%。誰かが火をつけたら燃えるタイプ80%。周りがどんなに火をつけても自ら消すタイプ17%。割合で考えますとこんなものです。自分の心に火をつけられるタイプの営業はどんな環境においても結果を残し続けています。逆にモチベーション維持にムラがある(80%)。常に低いモチベーション(17%)は結果を残すことはできません。高いモチベーションが持続できない、もしくはモチベーションが常に低い状態の営業は、

①顔に覇気がない(第一印象も暗い)

②でも、○○つもり、○○くれない(言い訳ばかり)

③できない理由ばかり並べる(原因他人論)

④会社批判、商品批判が多い(愚痴と文句ばかり)

といった4つの共通点があります。

 そして、今、モチベーションが低くて悩んでいる若い営業、経験豊かな営業にこれだけは強く伝えておきます。

・心の貧しさは所得の低きにつながる(できない理由を並べる心の貧しい人間は、所得も上がらない)

・現状維持は衰退への道(どんなに高いレベルでも上昇志向がなければ魅力が薄れる)

・部下は育てられても上司は育てられない(こんな上司がいるから結果は出ないは言い訳。自分ができることを全力でやりきることが大切)

  私に言わせれば、モチベーションが低くて悩んでいるのは日本人くらい。成長いちじるしい中国やお隣の韓国にモチベーションが低くてヤル気が出ませんと言う人間はまず存在しません。平和な暮らしは素晴らしいことです。ただし、仕事においてモチベーションが上がらないという平和ボケが生じると、生活の平和は崩れてきます。仕事の基盤があってこそ、平和な生活は守られるものです。

こうしたら高いモチベーションは持続できる

 入社当時は誰もが高いモチベーション。それが半年、1年経つとズルズルとモチベーションが低下する営業が多く見受けられます。それは、自分への甘え、妥協、責任転嫁が原因であり、要は、自分の心が折れているだけなのです。ではどうしたら高いモチベーションが持続できるのか?そのヒントは次の6点。

①目標に対して貪欲で期限が明確→本気

②目標達成までの不足を事前察知→先行管理

③成功は1日で忘れ、失敗は明日に活かす→ハングリー

④優秀な先輩の考え方や行き方を学ぶ→素直な心

⑤3年後の自分のイメージを描く→あるべき姿

⑥言っていることと行動が常に一致→実践主義

このような思考と行動がないとモチベーションは永遠にあがることはありません。

小さな結果を大切に、そして喜ぼう

  モチベーションはお金で買うことなどできません。そして他人から分けてもらうこともできません。結局は自分の心の問題となるのです。心の位置がどこにあるのかが問われています。今日1日を全力で取り組むと、必ず明るい明日が見えてきます。何よりも充実感があり、自分なりの小さな結果も必ず伴ってきます。その小さな結果を自ら喜び、自らをほめてあげることです。小さな結果を残すと、それがやがては大きな結果となります。そうすることで自信もつき、さらに高い目標へチャレンジする精悍さが増した、生まれ変わった自分に出会えるのです。

経営支援センター 国吉 拡

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