幹部は経営視点で改善点を見い出し、業績を上げろ!!

幹部は経営視点で改善点を見い出し、業績を上げろ!!

2024/03/01

幹部は経営視点で改善点を見い出し、業績を上げろ!!

■株は上がれど経営環境は悪化の一途

 株式市場が好調だ。しかし浮き足立ってはいけない。私見だが日本の株価が今のまま順調に上がり続けるとはとても思えない。どこかで令和版株式バブル崩壊がやってくると考えている。国内の株式が好調の理由として

①円安、値上げによる上場企業の高業績

②景気悪化が続く中国市場からの資金シフト

③欧米の株価に比較すると割安感ある日本市場

④新NISAによる個人投資家の拡大

以上4点があげられる。

一方、実際の経営環境は一段と厳しさが増している

①2023年、8500件の倒産件数。前年比30%増

②2024年は更に拡大し1万件突破の可能性が高い

③ゾンビ企業(政府支援で延命)が17%増の25万社

1989年、世界における日本のGDP比率は20%、今や4%程度。日本企業の存在感が著しく低下。同時期、時価総額50社中、なんと日本勢は32社ランクイン。今やトヨタ1社のみだ。日本発の世界的企業はこの35年間、誕生していないということだ。何よりも近代史において、どの国も経験したことのない凄まじい人口減少。毎年、80万人減少している。これは、山梨県が消滅しているのと同等。全てが縮小する市場の中で、どう生き残っていくか。全社員が本気で自社の将来を考えて頂きたい。

■市場の厳しさ以上に、社員の厳しさが上回っているか

 市場の変化が凄まじく早い。十年一昔から、一日一昔。日進月歩から秒進分歩。高収益企業から一気に赤字企業へ転落。ボッーとしているとアッという間に業績は悪化する。その本質は、実は至ってシンプル。市場の厳しさ以上に、一人ひとりの社員の厳しさが不足しているだけである。変革なくして存続なし。

変革とは

①小さなマイナスの芽を事前に察知し、それを潰す

②あらゆるアカを撲滅する(人、商品、得意先)

③部下の意識と行動を変え稼げる人材に育て上げる

④新しいことにチャレンジし収益基盤を確立する

⑤全員が危機感を持ち高収益企業に変貌をとげる

■いま必要な強いリーダーシップ発揮の着眼点

 幹部の仕事に対する姿勢が組織風土となる。幹部の目標に対する熱意が決めたことをやり切る体質となる。幹部自らの成長願望が部下のチャレンジ精神となる。最もリスクなことは幹部自身が変わらないことだ。今必要なリーダーシップの着眼は次の7点。経営視点で考えていただきたい。

.労働分配率(人件費率)が低いから賃上げが可能

 労働分配率とは、人件費÷粗利益×100。業種にもよるが低ければ低いほど、実際は高賃金。そして賃上げ余力も高い。高収益、高賃金で有名なキーエンスは、労働分配率はなんと13%。しかしながら平均年収2200万円と極めて高い。多くの社員が労働分配率が高い方が高賃金と間違った認識をしている。労働分配率が高い企業は生産性が単に低いだけである。目指すべきことは①高粗利益率、②低労働分配率、③高い売上高営業利益率の二高一低を実現してこそ高賃金となる。

強みが明確な企業は収益力が高い

 創業来の歴史を振り返ることだ。自社の売上が伸びていたときに何かがあったはずである。新商品の販売、新規開拓、拠点拡大、等々。そして、顧客はなぜ我が社と取引きしているかを考え抜くと、そこに差別化のヒントが隠されている。納期が早い、高品質、提案が具体的。顧客から支持されるポイントがここにある。

データにもとづくことで 「具体的」指導となる

 得意先、商品別の粗利益率。見込みから受注までの日数。欠品率。クレーム比率やクレーム額。生きたデータとは日常業務の分析をベースに確立できる。そのデータや指標をもとにアドバイスを行うと、より具体的になり部下の納得度(腹落ち)も圧倒的に高まる。

=質のこと

 高収益企業はまず粗利益率が驚くほど高い。ちなみに先のキーエンスが85%、ユニクロ51%、ニトリ58%だ。粗利益率を上げるには人の質、商品の質、提案の質、フォローの質、配送の質と、あらゆる質を上げるしか方法はない。何よりも付加価値高い商品やサービスは付加価値高い人間にしか売ることはできない。

ワンランク高い提案こそ最も必要とされている

 今、人手不足が130万人。これが6年後には600万人不足する。顧客も省人化や省力化に俄然興味を示す。作業プロセスの見直しで人員を少なくする提案。機械やシステム導入で業務の無駄をなくし人員の削減を実現する。ただ物を売るのではなく顧客の経営課題を解決するソリューション営業(問題解決型)の転化が求められている。これまでのやり方を根本から見直せ。

値上げができなかった顧客への対応

 まだまだ資材、人件費、物流費は上昇する。価格転嫁は経営戦略においても重要課題だ。しかし、競合先もあり思うように価格転嫁が進まないケースもある。頭の痛い問題だ。重要なことは価格転嫁ができなかった顧客への対応である。材質を変える、支払いサイトを短縮する。もう一品、多く売り込む。地道な活動で価格転嫁できなかった「粗利益」をどう取り返すかだ。

ホームページ、SNS戦略

 まず競合先のホームページを徹底して研究することだ。見やすい、分かりやすい、で負けていないか。ネット時代、情報は即、入手できる。顧客は情報の連鎖反応で脳裏に焼きつく。営業の提案力もOK、ホームページの情報も分かりやすい。ブログも定期的に更新されている。リアルとネットの融合。これもまた経営視点だ。

■大谷翔平だけがプロではない。

 大谷翔平のドジャースへの移籍金には度肝を抜かれた。WBC、アメリカとの決勝戦の名言。「今日は憧れるのをやめましょう」人間力、不断の努力、不屈の精神、それがないと、あの言葉は出ないはすだ。我々は顧客から給与をいただいている。顧客を満足させることが出来なければ給与はもらえない。大谷翔平だけがプロではない。プロ意識が欠如した幹部では業績を上げることはできない。それこそ戦力外だ。       

ワンポイントトーク
【厳しい市場を生き残るためには、危機感と業績目標に対する責任感を持った幹部の存在が必要不可欠だ!】

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