人事評価制度について

人事評価制度について

2023/12/01

人事評価制度について

テーマ㉗「人事評価制度について」

    ある企業の人事担当者より研修の依頼を受けました。「弊社では昨年より新人事制度を採用しました。しかし、管理職の中には人事評価を理解できていない方も多くいます。管理職を対象に人事評価のやり方をレクチャーしていただけないでしょうか。人事としては、皆の納得感の高い素晴らしい制度が出来上がったと考えています。」私は心の中でもやもやを感じながらも研修の実施を受諾しました。なぜなら、全ての社員に納得感がある人事評価制度は存在しませんし、一度出来上がった制度も、運用しながら微修正を加えていく必要があるからです。今回は社員の成長につながる人事評価制度の策定、運用について解説していきます。

「新人事評価制度の説明会」

    食品卸売業A社では今年度より新人事評価制度をスタートさせます。この人事評価制度は構想に時間・労力を要し、経営陣、人事部とも社内の活性化のために非常に期待をしています。課長職以上の評価者を集め、人事評価のポイントに対する説明会を行っている現場の一コマです。中山人事課長「今回の人事評価制度は人材育成と評価をリンクさせ、個人と組織の成長につながるはずです。いまから配布したガイドブックに沿って説明を行います。」話を聞いている管理職はあまり積極的ではありません。「制度を導入してもいままでと変わらないのでは。また負担が増えてしまうだけ・・・」

解説

    人事評価制度は重要です。一般的に人事評価制度を給与や賞与の査定、昇給・昇格に利用することが存在意義であると考えている組織・個人は多いです。しかしながら、人事評価制度で重要なことは、①経営理念とリンクし、②組織・個人の成長につなげる、ということです。また人事評価制度は一度策定して終わり、というものではなく、運用していくうちに微修正(更新)をしていかなければなりません。効果的な制度の策定及び運用のポイントは下記の通りです。

1.人事評価とは経営戦略である

    企業には経営理念があります。理念のもとにビジョン、戦略、方針が存在します。経営理念を具現化するために必要な人材をどのようにして育てていくか。そのために行動指針と目標を設定していく必要があります。それを明文化したのが人事評価制度です。

2.ダメな評価制度

    人事評価制度策定における代表的な失敗の理由は下記の通りです。

①方針なし、人事部お任せ

トップ・経営陣が人事評価の策定に積極的に関与せず人事部単独で策定する。経営理念とリンクしないケースが多い。

②最初から完璧を目指す

策定・運用に慎重になる余り、完璧を目指す。人事評価制度の冒頭にはこのように記載すべき。「運用にあたり、不備が生じた場合都度見直すこととする」

③テンプレート拝借、コンサル丸投げ

専門家、と聞けば響きは良いが、実際のところは他社の使いまわし。

④秘密主義

評価に対する上司からのフォローが余りない。なぜ、自身の評価がこのようになっているかの理解がない。

⑤減点主義

目標未達やできなかったことのみに注目し、上手くいった行動や目標達成は評価しない。

⑥具体的でない

個人の能力は目に見えず数値化できないもの。評価を具体的にするためにも項目は数字や行動に関するものとする。

3.評価制度の組み立て方

    賞与は成果連動、評価はバランス。また、チームとしての力を最大化するためにも、個人の評価に加え、チームの評価を組み込むことも重要です。全ての社員が納得する仕組みはありませんので、この点こそ、走り出してから修正を加えていくこと。また、昨今のトレンドとして、被評価者のモチベーションアップのため、相対評価ではなく、絶対評価を取り入れる企業も多いです。

4.運用に欠かせない面談(期初、フォロー、フィードバック)

    人材育成と人事評価を結びつけるためにも、面談は効果的に実施しなければなりません。例として、期末のフィードバック面談で重要なことは次の点です。

①部下が、上司の評価の視点や判断基準を理解できているか

②部下が今後の課題を認識しているか

③上司が成果と課題を明確に把握できているか

④ただの粗探しになっていないか

⑤一方的な指導ではなく、双方向のコミュニケーションが取れているか

5.人事評価を的確に運用していけば、社員の成長意欲が生まれる

   人事評価制度を全社員が理解し、的確に運用していくと、教育に熱心な組織風土となっていきます。いつの時代も利益を産み出すのは「人」です。「人」が成長すると会社には利益が残ります。「やらされ」ではなく、「全員参画型の」人事評価制度に切り替えていくことが急務であります。

中山課長の説明を聞いた各管理職はまずは説明の通り人事評価制度に取り組むこととしました。日頃から部下を観察し、評価のためのデータを収集、いかにモチベーションを向上させるべく、面談で動機づけを行うか、面談のロールプレイングも予定することとしました。

【ポイント】
人事評価制度を適切に運用し、組織・個人の成長を図っていこう。

お電話でのお問い合わせはこちら

03-5877-2540

FAX:03-4500-9660

よく読まれている記事