苦手なお客様から逃げてはいけない

苦手なお客様から逃げてはいけない

2026/04/01

苦手なお客様から逃げてはいけない

◆苦手なタイプの人間は必ず存在する

    私は高圧的なタイプの方が苦手です。直接、自分自身に強い態度で接してくるのが嫌なのはもちろんのこと、関係の無い他者が、横柄な口調で叱責されているのを見るのも不快です。飲食店で初対面のスタッフに対し、敬語も使わず偉そうに話しかけている場面を見かけると、ため息が出るほどです。しかしながら、このような考えも持っています。営業の世界では目標達成のために、お客様を選り好みすることはできません。私が従事する、コンサルティングや人材育成の分野はほとんどの場合、決裁者は経営者、経営幹部です。中小企業のトップ、特に創業経営者は独自の価値観を持っており、絶対に自分の意志を曲げず当たりの強い方も多いです。苦手だからと言って避けていては受注を勝ち取ることすらできないのです。昨今、SNSや書籍には、「自分と合わない人とは関わらない方が良い」や「お客様をこちらから選びなさい」など、ストレスを避けることを勧める文言があふれています。耳当たりは良いですが、何とも無責任な提言のようにも聞こえます。すでに実績、知名度があり、引く手あまたの営業であれば好きなようにお客様を選ぶことが出来ます。しかし、ほとんどの方はそのようなことはないはず。自分と同じ価値観のお客様とだけ付き合っていてはある一定のレベルで頭打ちが来ます。たとえ、価値観が違っているお客様であっても信頼を勝ち取り、契約をあげていく気概が必要となるのです。その経験値を積み重ねることで、次第にお客様から選ばれる営業になっていきます。リーダーの皆さん、部下が苦手なお客様から逃げ、選り好みしていれば、正してあげてください。

◆40代以上の役職者が苦手です

    先日の若手研修で、次のような質問がありました。その質問者は入社二年目で、20代の「らしさ」を武器にした、見た目爽やかで、雰囲気も良く発言も的確で非常に好印象。聞いてみると目標達成もコンスタントに出来ているとのこと。しかしながら、彼の悩みは「自分と同年代、もしくは少し上の30代のお客様であれば、自信を持って提案ができるのだが、40代以上、特に役職者と接する際は、何か自分を品定めされていると感じ、委縮してしまう」とのことでした。以前もそのような質問を若手社員から受けたことがありましたので、そのような悩みを抱えている若手は多いのかもしれません。そこで、私は次のように回答しました。

◆苦手なお客様と信頼関係を築いていくコツ

①経験を積む

    量から質が生まれていきます。経験を重ねることで、苦手意識がなくなります。そこから更に数をこなすことで、どのようなタイプであっても一定の型に即した対応ができるようになります。

②お客様を増やす

    いままでの説明と相反するかもしれませんが、苦手なそのお客様に固執しなければならないのは、売上が少ないから。お客様の数を増やすことが出来れば、たとえ、目の前のお客様と縁が無くともまた別のお客様から注文を頂けば良いという余裕が出てきます。新規開拓に注力をしてください。

③目の前のお客様が最も求めていることは何か

    セールスにおいて、「スーパーウォンツ」という言葉があります。「ニーズ」と「スーパーウォンツ」は異なります。「ニーズ」は表面的なただの課題解決ですが、「スーパーウォンツ」とはより本質的な欲求です。決裁権者に直接商談をする際は、「このお客様が絶対に譲れない価値観は何なのだろう?」、「この人が何としても手に入れたいものは何か?」をじっくりと会話をしながら探る必要があります。苦手な方であっても、寄り添うことで心は通じるのです。

◆お客様のタイプ別攻略法

    営業担当者が苦手とする、代表的なタイプ別のアプローチ法を解説します。

①言動がきつい

    先にも説明しましたが、このようなタイプは会社内でも地位が高く、キーマンであることも多いです。懐に飛び込み、可愛がられることで、他社の営業から避けられているため、成約に至ることもあります。価値観を否定せず、そのお客様が本当に求めている欲求に寄り添う提案を行うこと。また、こまめな報連相も欠かせません。

②無口

    最も重要なことは「沈黙」を恐れないこと。「沈黙」を恐れる余り、余計な説明や提案をするのは逆効果です。相手のペースを乱す必要はなく、ゆっくりと丁寧に会話をしてください。また、相手が回答しやすい質問のやり方にも気を配る必要があります。

③やけになれなれしい

    「吉田ちゃん」、「吉田っち」などと馴れ馴れしく接してきたとしても、こちらも礼儀を欠く言動はしてはなりません。「親しみを親しみで返す」のではなく、「親しみをマナーで返す」一定のラインが必要です。これができなければただの友達に終わってしまい、値上げなどの利益に関わるシビアな提案が出来なくなります。

④キーマンではない

    たとえ、目の前の担当者がキーマンでなくとも、丁寧に接すること。「是非あなたの実績をつくりたい」と提案することで、心強い味方となるはずです。

◆苦手なお客様にも誠意をもって対応しよう

    私の営業キャリアを振返ってみても、苦手なお客様に育てられたということもありました。是非、苦手なお客様から逃げることなく、真正面から対応してください。それが営業力向上につながります。

【ポイント】   

    お客様を選り好みしていては、実績はあがらない。

株式会社経営支援センター チーフコンサルタント 吉田 敬真

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